囲炉裏の縁には框(かまち)が必要です。
抹茶道の世界では炉縁(框)の寸法が決められています。利休さんが決めた規格によると一尺四寸四方、高さ二寸二分五厘、天端一寸二分五厘、面取二分五厘となっています。
高さについては畳の厚さによって多少調整が必要ですが、我が家の畳はJIS規格の55mmで、床板の厚さは12mmですから合計67mmとなります。二寸二分五厘は67.5mmですからまずまず規格内ということです。
茶゛道(ぢゃどう)といえども規格に合っていないとすべて特注となって大変なお金がかかりますので、茶道の規格に合わせて骨董品を探すことにしました。
↓オークションで見つけたぴったりの炉縁。
「経年の炉縁ですが、特に欠点はありません。ケヤキ材製、大きさ縦42.3cm 横42.3cm 高さ6.8cm」(商品説明も写真もオークションに掲載されていたもの)

↓届いた炉縁を見ると特に欠点はない筈なのに、落下させたときに出来たと思われる傷で角が潰れています。写真のようにホゾの継ぎ手があるのにグラグラします。欅材だというのに軽いです。ただでさえ危ない骨董の世界もネットとなると、「詳しくありません、写真で判断してください」となり、入札では仲間が価格を吊り上げることもよくあります。まんまと引っかかったのでしょうね。

↓なんでグラグラするのか? ホゾが折れているのか? と確認したところ、ホゾ(臍)ではなくて釘でした。釘の頭を隠す為にホゾの形に木を嵌め込んであったのです。材も欅ではなくて軟材です。
私は直すのが趣味ですからこのように壊れたものの方が嬉しいのですが、新品なら数万円もする炉縁もこのような手抜きで造られていると思うとがっかりです。

↓釘では締りが悪いので木工ボンドとネジで締め直すことにしました。釘はそのままにして隙間の奥までしっかりと木工ボンドを塗りました。

↓長い木ネジで締め上げましたが材が柔らかいのでネジが深く入ってしまいました。

↓はみ出た木工ボンドをふき取ると漆の剥がれた部分がはっきりと分ります。

↓漆の剥がれた部分を油性のサインペンで補修しました。

↓木工ボンドがしっかり乾燥したところで炉の上に設置して完成です。
テーマ:DIY - ジャンル:その他
- 2010/02/22(月) 21:47:26|
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まあ立派に修復できましたね
≪漆の剥がれた部分を油性のサインペンで補修しました。≫
まるで『伝統工芸修復士』みたいじゃあーりませんか。
又また30拍手です
- 2010/02/23(火) 02:26:33 |
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kaachさん
こんばんは。
まともな修復なら接着も塗装も漆を使うべきでしょうね。
目ネジの頭も木片を埋め込んで隠すのでしょうね。
手抜きで作った安物の炉縁には、手抜きの修復で十分と考えています。
どうせ傷つくことでしょうし、ネジ跡も畳に隠れるので問題ありません

- 2010/02/23(火) 19:02:32 |
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小紋さん
こんばんは。
>深窓流の お家元・・・
素敵な名前をありがとうございます。
それでは今後は深窓流を名乗らせていただきます。
茶”道 深窓流 初代宗家 藪柑子赤丸(ヤブコウジ セキガン)

- 2010/02/23(火) 19:12:04 |
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